7. 管理と保守

7.1. ファイル管理のためのSCP/TFTPサーバー準備

プログラムファイルの管理に、SCPまたはTFTPによるファイル転送を使用します。

SCPファイル転送、TFTPファイル転送には、SCPサーバー、TFTPサーバーが別途必要になります。
本製品と通信できる状態の端末(パソコン、ワークステーションなど)に、SCP/TFTPサーバーをご用意ください。

IX-Rシリーズ側には、以下の2つの設定が必要です。

  • IPアドレスの設定

  • インタフェースの有効化

メモ

Webコンソールを使用してファイルを転送する場合、SCP/TFTPサーバーは必要ありません。

7.2. コンフィグの管理

動作中のランニングコンフィグはDRAMに保持されており、製品の電源が切れると消失します。
次に電源を入れたときにも同じ設定で起動させるには、現在のランニングコンフィグの設定内容をストレージのスタートアップコンフィグに保存する必要があります。
ストレージの内容は、電源がOFFになっても消失しません。

注意

製品が立ち上がらなくなった場合を想定し、ランニングコンフィグは設定が確定したら保存してください。
コンフィグは製品固有の情報であるため、保存されていない場合には、最初からコマンドによる再設定が必要になります。

メモ

現在、本製品がどのような設定内容で動作しているかは、ランニングコンフィグをshow running-configコマンドで確認できます。
保存した設定内容はスタートアップコンフィグをshow startup- configで確認できます。

7.2.1 ランニングコンフィグの保存

グローバルコンフィグモードにおいて、write memoryコマンドにより、ランニングコンフィグの内容をスタートアップコンフィグに保存します。 保存は上書きで行われます。

7.2.2 テキストファイルによるコンフィグ管理

show startup-configコマンドまたはshow running-configコマンドを使用して設定内容をコンソール画面上に表示し、テキストファイルとして保存しておくことをおすすめします。
のちに古い設定内容が必要になったときには、保存したテキストファイルから必要なデータをコピーとペーストにより本製品コンソール画面に貼り付け、そのままコマンドとして入力することが可能です。
また、テキストファイルを本製品のSCPクライアント機能またはTFTPクライアント機能を使ってスタートアップコンフィグへ書き込むことも可能です。
詳しくは「コマンドリファレンスマニュアル」をご参照ください。

注意

SCPクライアント機能またはTFTPクライアント機能を使って本製品のスタートアップコンフィグにテキストファイルを書き込む場合、テキストファイルに含まれる文字列は、アスキー文字(制御文字を含まない)を使用してください。

7.3. バージョンアップ方法

注意

セキュリティ上の問題点や脆弱性が発見された場合、本製品は基本的に新しいバージョンのソフトウェアで対処します。
最新ではないバージョンを利用し続けたり旧バージョンにバージョンダウンしたりすると、脆弱性を悪用した攻撃により被害を受ける恐れがあるなど、セキュリティリスクが高まります。
旧バージョンを利用される場合はセキュリティリスクが高まる可能性をご認識ください。

7.3.1. ソフトウェア準備

UNIVERGE IX-Rシリーズのポータルサイト』から、目的のソフトウェアファイルを取得します。

7.3.2. プログラムファイル2面管理機能

本製品はメイン領域とバックアップ領域の2箇所にそれぞれ異なるソフトウェアをストレージに保存できます。
これにより、ソフトウェア更新中に電源断等が発生してもブートに失敗する問題が発生しません。
また、ユーザー側で2つのソフトウェアを任意に選択して起動させることができます。

メモ

ソフトウェア2面管理機能はsoftware-updateコマンドによるバージョンアップでのみ対応しています。

<show softwareコマンド表示例>

保存しているソフトウェアは、show softwareコマンドから確認できます。

Router(config)# show software
PBL Version: 1.0.0
Software Information:
  Codes: M - Main-side, B - Backup-side, N - Newfile
         A - Active-file, + - Next-boot
  Status    Version    Name
  B         1.1.34    ix-r2530-1.1.34.bin
  MA        1.1.35    ix-r2530-1.1.35.bin
Router(config)#

<Codesについての説明>

  • M – Main-side : メイン領域のソフトウェア

  • B – Backup-side : バックアップ領域のソフトウェア

  • N – Newfile : 本製品にダウンロードされてから、まだ一度も使用されていないソフトウェア

  • A – Active-file : 現在起動中のソフトウェア

  • + – Next-boot : 本製品の再起動後に起動するソフトウェア

メモ

いずれのプログラムファイルにも「+」のコードがついていない場合には、メインのプログラムファイルが次回の起動に使われます。

<メイン領域とバックアップ領域の切り替え手順>

software-selectコマンドによりメイン領域とバックアップ領域のソフトウェアを切り替えることができます。

コマンド : software-select [filename]

Router(config)# software-select ix-r2530-1.1.34.bin
% ix-r2530-1.1.34.bin is selected as system file.
Router(config)#

show softwareコマンドを実行し、software-selectコマンドで選択したプログラムファイル「Ver1.1.34」に「+」のフラグがついていることを確認します。

Router(config)# show software
PBL Version: 1.0.0
Software Information:
  Codes: M - Main-side, B - Backup-side, N - Newfile
         A - Active-file, + - Next-boot
  Status    Version    Name
  B+        1.1.34     ix-r2530-1.1.34.bin
  MA        1.1.35     ix-r2530-1.1.35.bin
software-selectコマンド実行後、メインに切り替えたルータソフトウェアで本製品を起動するには、本製品を一度再起動する必要があります。
reloadコマンドを実行し、ルータソフトウェアの再読み込みを行います。
Router(config)# exit
Router# reload
Notice: The router will be RESTARTED.
Are you sure you want to restart the router? (Yes or [No]):y

7.3.3. software-updateコマンドによるバージョンアップ

software-updateコマンドによりバージョンアップが行えます。
ダウンロードする際に対応しているプロトコルは、HTTP/HTTPS/SCP/TFTPです。
ここでは、TFTPサーバーを使用しIX-R2530のソフトウェアをVer1.1.34からVer1.1.35へバージョンアップを行う場合の例を説明します。
ソフトウェアのバージョンにより表示が異なります。

メモ

バージョンアップにはbinファイルを使用してください。

メモ

HTTP/HTTPSサーバーとの接続にログイン/パスワード情報の送信が必要な場合、次のように入力します。
例 : software-update [URL] account [USERNAME] password [PASSWORD]
ログイン/パスワード情報の入力を省略した場合、対話モードによりログイン/パスワード情報を入力する必要があります。

メモ

パスワード設定は、Basic認証のみサポートします。

メモ

プロキシーサーバー経由でのHTTP/HTTPSによるバージョンアップには対応していません。

software-updateコマンドによるバージョンアップは次の手順で行います。

1. 前準備
2. ソフトウェアのダウンロード/正常性確認
3. 本製品の再起動
4. バージョンアップ結果の確認

1. 前準備

本製品とTFTPサーバー間の接続を、Pingなどで通信できる状態か確認してください。
show softwareコマンドを実行し、現在ストレージ内に格納されているプログラムファイルの確認を行います。

<ストレージ内に1つのソフトウェアが格納してある場合>

  • メインのソフトウェア : ix-r2530-1.1.34.bin

Router(config)# show software
PBL Version: 1.0.0
Software Information:
  Codes: M - Main-side, B - Backup-side, N - Newfile
         A - Active-file, + - Next-boot
  Status    Version    Name
  MA        1.1.34     ix-r2530-1.1.34.bin
Router(config)#

メモ

プログラムファイルが1つだけの場合は、software-updateコマンドで新たにダウンロードしたソフトウェアが、次回の起動に使用されます。
これまでメイン領域に存在していたソフトウェアはバックアップ領域に替わります。

<ストレージ内に2個のソフトウェアが格納してある場合>

  • メインのソフトウェア : ix-r2530-1.1.34.bin

  • バックアップのソフトウェア : ix-r2530-1.1.33.bin

Router(config)# show software
PBL Version: 1.0.0
Software Information:
  Codes: M - Main-side, B - Backup-side, N - Newfile
         A - Active-file, + - Next-boot
  Status    Version    Name
  B         1.1.33     ix-r2530-1.1.33.bin
  MA        1.1.34     ix-r2530-1.1.34.bin
Router(config)#

メモ

software-updateコマンドを実行すると、バックアップに格納されているプログラムファイルに対して上書きが行われます。
現在バックアップ領域のプログラムファイルをバージョンアップ後も保持しておきたいときは、software-selectコマンドで事前にバックアップ領域のプログラムファイルをメイン領域に切り替えておく必要があります。

2. ソフトウェアのダウンロード/正常性確認

software-updateコマンドを実行し、TFTPサーバーからソフトウェアのダウンロードを行います。

メモ

ソフトウェアのダウンロード中に、[Ctrl]+[C]または[Ctrl]+[Z]を押すとダウンロードを中止しプロンプトに戻ります。

ダウンロードが完了すると、取得したソフトウェアに対して正常性確認が行われます。
「% Check ...... done」と表示されると正常です。
表示されない場合、ソフトウェアが破損している可能性があります。
正常性確認が完了すると、ダウンロードしたソフトウェアをストレージへ書き込みを開始します。
正常にストレージへの書き込み処理が完了すると「% Software update completed.」のメッセージが表示されます。
Router(config)# software-update tftp://192.168.1.1/ix-r2530-1.1.35.bin
% Downloading .......................................................... ....................................................................................................................................................................................
TFTP transfer complete, 4551777 bytes, SHA512 = a17fe2e87a6ec7bf889e71200b43f760
% Check ...... done
% Erasing
  Now erasing ix-r2530-1.1.33.bin .... done
% Update file name is ix-r2530-1.1.34.bin
% Writing ............................................................................................................................................................................................................................ done
% Software update completed.
show softwareコマンドを実行し、N(Newfile)としてバックアップにVer1.1.35が上書きされていることを確認します。
+のフラグがついているソフトウェアは、本製品の再起動後にメインに切り替わり動作します。
Router(config)# show software
PBL Version: 1.0.0
Software Information:
  Codes: M - Main-side, B - Backup-side, N - Newfile
         A - Active-file, + - Next-boot
  Status    Version    Name
  MA        1.1.34     ix-r2530-1.1.34.bin
  N+        1.1.35     ix-r2530-1.1.35.bin
Router(config)#

メモ

本製品に新しいソフトウェアをダウンロードする際、ストレージの容量が足りない場合(コンフィグファイルなどのソフトウェア以外のファイルも保存している)には「% 転送プロトコル名 transfer abort.」とメッセージが表示されます。
本メッセージが表示された場合は、ストレージ内のプログラムファイル以外のファイルをすべて削除する必要があります。
不要なファイルをすべて削除する場合は[y]を入力します。
※ [y]を入力した場合は、メインとバックアップに格納されているソフトウェア以外のすべてのファイルが削除されます。
ダウンロードを中止しプロンプトに戻る場合は[n]を入力します。
不要なファイルを削除したくない場合は、事前にSCP/TFTPコマンドなどによりバックアップをとってください。

メモ

2面管理機能に対応している本製品では、すでにダウンロード済のソフトウェアをダウンロードする場合「% No need to update」とメッセージが表示され書き込みは行われません。

メモ

ダウンロードしたプログラムファイルが正しくない場合、「% Invalid file」のメッセージが表示されプロンプトに戻ります。
「% Invalid file」のメッセージが表示された場合は、プログラムファイルが正しいものであるか確認し、再度software-updateコマンドを実行してください。

メモ

software-updateコマンド実行時にauto-reloadオプションを指定することで、次の再起動処理を自動的に実行します。

3. 本製品の再起動

書き込みを行ったソフトウェアは本製品の再起動後に有効になります。
reloadコマンド、または装置背面の電源スイッチをOFF/ONし、再起動を行います。
Router(config)# exit
Router# reload
Notice: The router will be RESTARTED.
Are you sure you want to restart the router? (Yes or [No]): y

メモ

本手順をTelnetで行っている場合、reloadコマンド実行に伴いTelnetセッションが切断されるため、Telnetで再接続を行い、4の確認を行ってください。

4. バージョンアップ結果の確認

show versionコマンドを実行し、ソフトウェアのバージョンアップが完了していることを確認します。
以下の表示では、ソフトウェアのバージョンが「Ver1.1.35」になっています。
Router(config)# show version
NEC IX-R Series IX-R2530 Software, Version 1.1.35, RELEASE SOFTWARE
Compiled Wed 06 Mar 2024 01:49:55 PM JST

Pre Boot Loader (PBL), Version 1.0.0

Software file name is "ix-r2530-1.1.35.bin"
Software file hash is "d71d49d25b452845a44c850f14f2d686"

System uptime is 3 hours 42 minutes 12 seconds
System woke up by reload, caused by power-on
System started at Mar 07-Thu-2024 03:56:33 JST

<省略>

次にshow softwareコマンドを実行し、新しくダウンロードしたソフトウェアがメインで動作していることを確認します。

Router(config)# show software
PBL Version: 1.0.0
Software Information:
  Codes: M - Main-side, B - Backup-side, N - Newfile
         A - Active-file, + - Next-boot
  Status    Version    Name
  B         1.1.34     ix-r2530-1.1.34.bin
  MA        1.1.35     ix-r2530-1.1.35.bin
Router(config)#

7.3.4. Webコンソールによるバージョンアップ

UNIVERGE IX-R/IX-Vシリーズ Webコンソールマニュアル』に沿って、バージョンアップを行ってください

7.3.5. USBメモリによるバージョンアップ

設定済みの本製品に対してバージョンアップを行う場合は、次の手順で行います。

1. USBメモリにソフトウェアを格納
2. USBメモリ、USBポート有効化設定
3. USBメモリを取り付け
4. バージョンアップ実行
5. バージョンアップ結果の確認
6. USBメモリを取り外し

1. 前準備

USBメモリ内に更新したいソフトウェアバージョンの.docファイルを保存します。

1つのUSBメモリで複数台の本製品に異なるソフトウェアバージョン更新もできます。
この場合、RESTOREフォルダの中に投入予定の本製品のシリアル番号のフォルダを作成し、その中に.docファイルを保存します。

<USBメモリ内のファイル配置>

/software-update.doc
または
/RESTORE/<本製品のシリアル番号>/software-update.doc

メモ

UNIVERGE IX-Rシリーズのソフトウェアファイルは、『UNIVERGE IX-Rシリーズ ポータルサイト(NEC)』から取得できます。

メモ

ファイル名は任意で構いません。

2. USBメモリ、USBポート有効化設定

本製品にUSBメモリ、USBポート有効化設定を行います。 詳しくは{7.6.1. USBメモリ使用前の準備}をご参照ください。

3. USBメモリを取り付け

本製品にUSBメモリを取り付けます。 詳しくは{7.6.2. USBメモリ取り付け手順}をご参照ください。

4. バージョンアップ実行

software-updateコマンドを実行し、USBメモリからプログラムファイルのダウンロードおよびバージョンアップを実行します。 バージョンアップを行うため自動的に装置が再起動します。

software-update usbmem0.0:ix-r2530-1.1.35.bin

5. バージョンアップ結果の確認

装置再起動後、show versionコマンドを実行して「Ver1.1.35」にバージョンアップされていることを確認します。

6. USBメモリを取り外し

本製品からUSBメモリを取り外します。 詳しくは{7.6.3. USBメモリ取り外し手順}をご参照ください。

7.3.6. NetMeisterによるバージョンアップ

NetMeister操作ガイド』に沿って、バージョンアップを行ってください。

7.4. ログ取得方法

本製品は稼働中に発生したログ情報をsyslogとして取得、確認することができます。
ネットワークトラブルの解析に役立ちますので、なるべくあらかじめ設定するようにしてください。

syslogを取得するためには、syslog functionコマンドでsyslog種別、syslogレベルを設定する必要があります。

syslog種別は、ARP、ICMP、PPPなど、本製品の機能、プロトコルごとに細かく設定できます。

syslogレベルは以下5段階で設定できます。

  • error : エラー状態レベル

  • warn : 警告状態レベル

  • notice : 通常レベル

  • info : 情報レベル

  • debug : デバッグレベル

syslogレベルはdebugレベルに近づくほど取得するsyslogの量が段階的に増加します。
たとえばsyslogレベルをwarnレベルに設定した場合、error~warnレベルに該当するsyslogのみ取得しますが、
debugレベルに設定した場合、error~debugレベルまでのすべてのsyslogを取得することになります。
取得するsyslogの量が多くなるほど本製品の性能が落ちます。
運用ログ取得が目的のときはwarnレベル、障害解析が目的のときはdebugレベルに設定することを推奨します。

各メッセージの詳細は、『syslogリファレンス』をご参照ください。

7.4.1. ログ取得設定

以下設定例では、syslog種別をすべての機能、プロトコル、syslogレベルをwarnレベルに指定しています。
運用中はこの設定が推奨されます。
Router(config)# syslog enable
Router(config)# syslog function all warn
Router(config)#

7.4.2. ログ取得手順

取得したログはsyslogは、show syslogコマンドで確認することができます。

<syslog情報のメモリ蓄積開始>

syslog enableコマンドで指定したsyslog情報を指定件数メモリに蓄積し、showコマンドを使って繰り返し表示することが可能です。
蓄積するメッセージ数のデフォルト容量は819,200Byteです。
Router(config)# syslog enable
Router(config)#

<蓄積されたsyslog情報の表示>

蓄積したsyslog情報は、show syslogコマンドで表示することができます。

Router(config)# show syslog
Buffer syslog enabled, 819200 bytes, type cyclic
  6 messages (1-6), 558 bytes logged , 0 messages dropped

Log Buffer (1-6):
10:41:32  ETH.047: Self-test phase Link status check failed: …
10:41:32  ETH.047: Self-test phase Link status check failed: …
10:41:32  ETH.047: Self-test phase Link status check failed: …
10:41:39  ETH.047: Self-test phase Link status check failed: …
10:41:39  ETH.047: Self-test phase Link status check failed: …
10:41:39  ETH.047: Self-test phase Link status check failed: …
Router(config)#

注意

装置の電源が切れると取得したログ情報はすべて消えてしまいますのでご注意ください。

7.4.3. syslogサーバーへの転送

取得したsyslogをsyslogサーバーへ転送することもできます。
syslogサーバーへの転送設定は、syslog ip/ipv6 hostコマンドで行います。
以下設定例では、syslogサーバーのアドレスに「192.168.1.200」を設定しています。
Router(config)# syslog ip host 192.168.1.200
Router(config)#

7.4.4. テクニカルサポート情報の取得

syslogとは異なりテクニカルサポート情報(各種showコマンドの一括収集)から本製品の状態を確認することもできます。
テクニカルサポート情報はshow tech-supportコマンドで確認することができます。
Router(config)# show tech-support
-------------------- show clock --------------------
Monday, 26 February 2024 10:15:25 +09 00

-------------------- show uptime --------------------
System uptime is 4 days 20 hours 4 minutes 37 seconds
System woke up by reload, caused by command execution
System started at Feb 21-Wed-2024 14:10:50 JST

Statistics: 3 known crashes

-------------------- show version --------------------
NEC IX-R Series IX-R2530 Software, Version 1.1.35, RELEASE SOFTWARE
Compiled Wed 27 Dec 2023 05:16:26 PM JST

Pre Boot Loader (PBL), Version 1.0.0


<省略>

注意

装置の電源が落ちると一部機能を除き情報はすべて消えてしまいますのでご注意ください。

メモ

show tech-support no-pausingコマンドにより、「--More--」で区切らず一括表示することもできます。

7.5. NetMeisterによる管理

7.5.1. NetMeisterのユーザーアカウント登録とグループ登録

以下のリンクからNetMeisterのアカウントとグループを作成します。

https://www.nw-meister.jp/service/

詳細な手順は、『NetMeister操作ガイド(HTML)』を参照してください。

  • 以下の情報が必要になります。
    事前に準備してください。

    項目

    アカウント作成に必要な情報

    1

    メールアドレス

    xxx-user@example.com

    2

    会社名

    〇〇株式会社

    3

    お名前

    〇〇 XX

    4

    電話番号

    090-xxxx-xxxx

    5

    パスワード

    sample-password

    グループ作成に必要な情報

    6

    グループID

    sample-group

    7

    グループ名

    サンプルグループ

    8

    グループパスワード

    sample-group-password

7.5.2. NetMeister設定

NetMeisterの設定を行います。
NetMeisterの準備 で設定したグループIDとグループパスワードを使用します。
Router(config)#  nm account <グループID> password plain <グループパスワード>
Router(config)#  nm sitename <拠点ID>
Router(config)#  nm ip enable

7.5.3. 装置登録確認

show nm status でNetMeister接続を確認します。

<未接続>

Router(config)# show nm status
NetMeister Client:
  Result      : Init
  Last Request:
  Next Request:

<省略>

<DDNSへの登録成功>

show nm status
NetMeister Client:
  Result      : Success (20000)
  Last Request: 2023/04/01 12:34:56
  Next Request: 2023/04/08 01:23:45 (remain 332326 sec)
Information:
  IPv4 Address: <グローバルIPアドレス>
  IPv4 Domain : <ホスト名>.<NetMeisterグループID>.nmddns.jp
  IPv6 Address:
  IPv6 Domain :
  Interval    : 168 hour

<省略>

<NetMeisterへの登録成功>

<省略>

API-GW:
  gpid        : <NetMeisterグループID>
  stid        :
  htid        : <ホストID>
  Interval    : 3600 sec
  Next Request: 2023/04/01 15:34:56
  Status      : Registered

<省略>

Router(config)#

<NetMeisterへの常時接続成功>

<省略>

MQTT:
  Interval    : 0 sec
  Status      : Connected

7.6. USBメモリ保守

本製品USBポートにUSBメモリを取り付けることで、以下の対応ができます。

7.6.1. USBメモリ使用前の準備

本製品にUSBメモリ、USBポート有効化設定を行います。

Router(config)# usbmem enable
Router(config)# device USB0
Router(config-USB0)# no shutdown
Router(config-USB0)# exit
Router(config)#

注意

装置に事前設定をしていない場合、USBメモリが認識されません。

7.6.2. USBメモリ取り付け手順

USBメモリを装置前面のUSB0ポートに差し込みます。
確実に奥まで差し込んでください。
../_images/4.4-1.png

差し込みが完了するとST1ランプが緑点灯します。

メモ

装置前面のST1ランプが点灯、点滅しない場合は、USBメモリを認識していないことを示します。
認識していない場合、USBポートの停止(shutdownコマンド)と開始(no shutdownコマンド)を複数回実行、またはUSBホストコントローラのリセット(usb host-resetコマンド)を複数回実行してください
Router# configure
Router(config)# device USB0
Router(config-USB0)# shutdown
Router(config-USB0)# no shutdown
Router(config)# exit
Router(config)# usb host-reset

show usbmemコマンドで差し込んだUSBメモリの状態を確認することができます。

Router(config)# show usbmem
USB Mass Storage Device (usbmem0)
total 15789678592 bytes
      24305664 bytes used
      15765372928 bytes free

7.6.3. USBメモリ取り外し手順

USBポートはホットスワップに対応していますが、USBメモリ使用中(ST1ランプ点滅中)の抜去は避けてください。

USBメモリを取り外す前に、以下を設定してください。

  • USBメモリ機能の無効化

  • USBポートの無効化

Router(config)# no usbmem enable
Router(config)# device USB0
Router(config-USB0)# shutdown
Router(config-USB0)#

ST1ランプが消灯したことを確認し、USBメモリを取り外します。

注意

ランプ消灯時以外にUSBメモリを取り外した場合、USBメモリのデータが破損する可能性があります。

7.6.4. 装置コンフィグとUSBメモリ間のファイルコピー

copyコマンドにより本製品とUSBメモリ間でファイルをコピーすることができます。

<本製品からUSBメモリへコピー可能な情報>

  1. スタートアップコンフィグ

  2. デフォルトコンフィグ

  3. テクニカルサポート情報

  4. syslog情報

  5. その他ストレージ内のファイル

メモ

USBメモリに保存するときのディレクトリは、操作の実行時に以下のかたちで自動作成されます。
構成ディレクトリ/COPY/<シリアル番号>/<実行日時>_ファイル(1.~4.)/LOG/<シリアル番号>/<実行日時>_ファイル(5.) /ファイル(1.~2.)
ファイル書き込み時に同一ファイルがあった場合は、上書きします。

以下はテクニカルサポート情報をUSBメモリへ保存する例です。

copy tech-support usbmem0.0:tech/tech-20240229.txt

<USBメモリから本製品へコピー可能な情報>

  1. スタートアップコンフィグ

  2. デフォルトコンフィグ

  3. その他ファイル

以下はスタートアップコンフィグを本製品へコピーする例です。

copy usbmem0.0:startup/startup-20240229.txt startup-config

7.7. 障害調査

7.7.1. 障害の解析に必要な設定と確認コマンド

ご契約中のサポートサービス等にて障害の解析および解決を図るためには、いくつかの情報を収集する必要があります。
本項では、障害時に有効な情報を収集するために必要な設定と確認コマンドについて説明します。

1. テクニカルサポート情報の取得

{7.4.4. テクニカルサポート情報の取得}をご参照ください。

2. ログ情報の取得

{7.4.2. ログ取得手順}をご参照ください。

7.7.2. 個体不良、機能障害

本項では、障害の現象別に確認事項と調査依頼、推定原因がフローチャート形式で示されています。
フローにしたがい対処してください。
1. 製品が立ち上がらない
2. リブート発生
3. ハードウェア障害の検出(ALARMランプが点灯しているときは)

1. 製品が立ち上がらない

製品の電源をONにしたとき、または製品をリブートさせてから10分以上経過しても正常に立ち上がらない場合には、以下の手順で復旧してください。

1.1. バックアップアプリケーションプログラムによる復旧

万が一ストレージ内のプログラムファイルが破損している場合、2面化された他方のプログラムファイルで起動されます。

メモ

過去、ソフトウェアアップデートを実行されている場合に限ります。

1.2. スーパーリセット機能

本製品に投入されているコンフィグデータを削除します。
スーパーリセットの方法については、{5.6.6. 設定の初期化 (スーパーリセット)}をご参照ください。
スーパーリセットを実行すると、コンフィグデータが削除されるため、予めコンフィグデータをバックアップしていない場合は、コマンドの再投入が必要です。
バックアップの取得方法については、{7.3. バージョンアップ方法}をご参照ください。

2. リブート発生

製品稼働中に原因不明のリブート等が発生し、その障害原因を特定する場合には、必ず下記情報が必要となります。

2.1. show tech-support コマンド出力(必須)
2.2. 障害状況(必須)
2.3. コンフィグレーションデータ(必須)
2.4. ネットワーク構成図(IPアドレス分かるもの必須)
2.5. syslog(収集している場合は必須)

注意

実際に障害解析を行う際には、上記の情報以外にも、別途情報が必要になる場合があります。

2.1. show tech-supportコマンド出力

show tech-supportコマンドの出力結果は、テキストファイルに保存してください。

2.2. 障害状況の情報収集

障害発生時に外的要因などが発生していないかどうかを見極める必要があります。
障害内容で差異はありますが、最低限下記情報を収集してください。
  • リブート前に中継線工事、IP アドレス変更、端末追加などの、ネットワークレベルの工事を行っていないか。
    行っている場合には、その詳細な工事内容および手順など。
  • 前面ランプ状態とハードウェア診断結果の表示記録。
    製品がリブート後に立ち上がらない場合、この情報は必須です。
  • その他、関連の有無にかかわらず、生する時間帯、端末のレスポンスなど可能な限り情報を収集してください。

2.3. コンフィグ情報の収集

本製品のスタートアップコンフィグは、ストレージ内に保存されています。

2.3.1. テキストファイルによるコンフィグ管理

show startup-configコマンドを実行すると、運用者が本製品に設定した内容が、実際に投入するコマンド列で表示されます。
コンフィグのバックアップを管理する際は、この表示データをテキストファイルに保存してください。
また、show startup-configコマンドのコピーを別の製品に簡単にコピーすることもできます。
たとえば、コマンドの出力結果をテキストファイルに保存し、そのファイルを通信ソフトのテキストファイル送信機能で製品に転送する方法があります

2.4. ネットワーク構成図

IPアドレス、ルーティング方法など、障害が発生した製品を含むネットワーク構成図が必要です

2,5. syslog

メモリ上にあるsyslog情報を、コンソールのshow syslog機能を使用して収集します。

3. ハードウェア障害の検出(ALARMランプが点灯しているときは)

製品電源投入時の自己診断(POST)でハードウェア部品の故障を検出した場合、あるいは起動中に温度や電圧異常を検出した場合、POWERランプが赤点灯して異常状態を通知します。

3.1. 自己診断で故障を検出したとき

電源投入時の自己診断(POST)は、各部品に故障がないかチェックする目的で行われます。
診断メッセージはコンソール画面に表示され、結果が正常だった場合は「pass」、異常だった場合は「fail」と表示されます。
コンソール端末を使用していない場合は、POWERランプを目視で確認したのち、show error-logコマンドで異常箇所の特定が可能です。
故障検出後の動作を以下に説明します。

<DRAM試験>

DRAM試験で異常を検出したときは動作停止状態になります。
この状態に陥ったときは修理が必要です。

<電圧試験>

診断時の製品内入力電圧が、下記の範囲外にある場合は動作停止状態になります。
入力電圧に問題がないか確認を行ってください。

<温度試験>

診断時の製品内温度が下記値の範囲外にある場合、測定値が範囲内になるまで繰り返し試験を実行します。
製品の起動に時間が掛かっている場合は、温度環境の確認を行ってください。

<その他の試験>

製品の起動を行います。
起動中にALARMランプが点灯しているのを発見した場合、部品故障が発生している場合があります。
show error-logコマンドを使用して確認してください。

3.2. 温度、電圧、ファンの異常通知

製品起動中に温度や電圧、ファンの異常を検出したときの動作と、異常の発生と復旧の検出基準を記述します。

<温度監視>

  • 前回測定した製品内部温度がアラーム検出温度に達せず、今回の測定値がアラーム検出温度に到達した場合、温度異常が発生したとみなし、以下のように通知されます。

    • ALARMランプの点灯

    • show syslogによる異常通知

    • SNMPトラップ(temperature-fault)の送信

  • 温度異常を検出したあと、製品温度がアラーム復旧温度の範囲内になった場合は、温度が正常状態に復旧したと判断し、以下のように通知されます。

    • ALARMランプの消灯

    • show syslogによる復旧通知

    • SNMPトラップ(temperature-restoration)の送信

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メモ

ここでの「アラーム検出温度」「アラーム復旧温度」は製品内温度を指しており、カタログなどに記載されている「環境条件 : 0℃~45℃」や「環境条件 : 0℃~50℃」は外気温度です。

<電圧監視>

  • 前回の測定電圧が正常電圧の範囲内で、今回の測定電圧が正常範囲外だった場合に、以下のように通知されます。

    • ALARMランプの点灯

    • show syslogによる異常通知

    • SNMPトラップ(voltage-fault)の送信

  • 前回の測定電圧が正常電圧の範囲外で、今回の測定電圧が正常電圧の範囲内だった場合に、以下のように通知されます。

    • ALARMランプの消灯

    • show syslogによる復旧通知

    • SNMPトラップ(voltage-restoration)の送信

<ファンユニット監視>

  • 5秒間隔で定期的に回転数を測定し、3回連続で値が5,294rpmを下回った場合に、以下のように通知されます。

    • ALARMランプの点灯

    • show syslogによる異常通知

    • SNMPトラップ(fan-fault)の送信

  • 測定値が5,295rpm以上になると、以下のように通知されます。

    • ALARMランプの消灯

    • show syslogによる復旧通知

    • SNMPトラップ(fan-restoration)の送信