5. USBメモリの利用

USBポートでUSBメモリが利用可能です。

注意

UNIVERGE IX-V シリーズでは、USBメモリは利用できません。

5.1. 対応機能

USBメモリを利用すると以下のことが行なえます。

  1. 装置コンフィグとUSBメモリのファイル間のコピー

  2. 装置フラッシュメモリのファイルとUSBメモリのファイル間のコピー

  3. show tech-support情報のUSBメモリのファイルへの書き込み

  4. show syslog情報のUSBメモリのファイルへの書き込み

  5. software-updateコマンドでのUSBメモリの利用

  6. USBメモリのファイル削除

5.2. 対応USBメモリ

  • FAT32でフォーマットされたUSBメモリ

  • 32キロバイト以下のアロケーションユニットサイズ

注釈

  • Windowsアプリケーション等を必要とする暗号化機能付きのUSBメモリは利用できません。

  • NTFSやexFATなどFAT32以外でフォーマットされたUSBメモリは利用できません。

  • FAT16, FAT12でフォーマットされたUSBメモリも利用可能ですが非推奨です。

  • 64キロバイト以上のアロケーションユニットサイズでフォーマットされたUSBメモリは利用できません。(例:高速化ツールなどでフォーマットされたUSBメモリ)

  • USBメモリによっては、正しくフォーマットされていても利用できない可能性があります。(運用前に利用可能か確認してください。)

注意

  • Windowsのクイックフォーマットを利用すると、予期しない不具合が発生する可能性があります。通常フォーマットを行ったUSBメモリを使用してください。

  • サポート機器以外の接続はしないでください。(外付けUSB-HUB等)

  • 未サポートのデバイスを接続している状態でのルータ動作の正常性は保証できません。

  • 未サポートのデバイスを挿入した場合、抜去した後においてもルータ動作の正常性は保証できません。

  • USBメモリの1つのディレクトリに大量にファイルを保存された状態で使用すると、著しく装置負荷が上がることがあります。1つのディレクトリ内のファイル数は100個程度を上限として、極力少ない数となるようにしてください。

5.3. USBメモリのマウント

USBメモリを利用可能な状態にすることを、USBのマウントと呼びます。USBメモリを利用するためには、以下の設定を行いFAT32でフォーマットされたUSBメモリを挿します。

  • グローバルコンフィグモード

    項目

    説明

    usbmem enable

    USBメモリの有効化(デフォルト無効)

  • USBデバイスコンフィグモード

    項目

    説明

    no shutdown

    USBポートの有効化

    shutdown

    USBポートの無効化(USBポートの電源供給断)

    リスト 5.3.1 設定例
    usbmem enable
    !
    device USB0
      no shutdown
    

USBメモリを取り外す際は、USBメモリを無効化してから、取り外してください。

リスト 5.3.2 設定例
no usbmem enable

5.4. USBメモリデバイスの確認

マウントされたUSBメモリのUSBメモリデバイス名、デバイス情報は、show hardwareコマンドで確認できます。USBメモリ機能で使用する、装置シリアル番号も、show hardwareコマンドで確認できます。

リスト 5.4.1 表示例
Router(config)# show hardware
IX-R Series IX-R2530 Hardware Platform

S/N: XXXXXXXXXX                        ... 装置シリアル番号


Option interface unit USB0:
  USB Mass Storage Device (usbmem0)    ... USBメモリデバイス名(usbmem0)
    Model name is <MODEL名>            ... 製品名、モデル名
    Vendor ID is 0xXXXX                ... ベンダID(16進数)
    Product ID is 0xXXXX               ... プロダクトID(16進数)
    Serial number is XXXXXXXXXXXXXXX   ... シリアルナンバー(文字列)

注釈

シリアルナンバーのないUSBメモリでは表示されません。

5.5. USBメモリのファイル、ディレクトリ指定方法

コマンドでのUSBメモリの指定は、以下のようなフォーマットを使用します。USBメモリデバイス名は、USBメモリがマウントされた状態で、show usbmemや、show hardwareで確認することができます。

リスト 5.5.1 表記例
usbmemX[.Y]:PATH/[FILENAME]

usbmemX[.Y] ... USBメモリデバイス名
  X  -  USBポート番号(範囲0のみ)
  Y  -  論理ユニット番号(範囲0-3, 0の場合は省略可能)
PATH ... ディレクトリ名
FILENAME ... ファイル名

注釈

  • 省略可能なオプションなど詳細は、コマンドリファレンスマニュアルを参照してください。

  • 日本語ファイル名、ディレクトリ名は使用できません。

リスト 5.5.2 表示例:USBメモリのディレクトリ指定
Router(config)# show usbmem usbmem0:/
Directory is /
2014/06/29  20:21:26  <DIR>       LOG           LOG
2014/06/29  20:21:26  <DIR>       COPY          COPY
2014/06/29  20:21:28        1238  STARTU~1.CFG  startup-config.cfg
1 files 1238 bytes
2 directories
リスト 5.5.3 表示例:USBメモリのファイル指定
Router(config)# show usbmem usbmem0:/startup-config.cfg
! NEC IX-R Series IX-R2530 Software, Version 1.1.X, RELEASE SOFTWARE
! Compiled Tue 29 Aug 2023 01:36:23 PM JST
! Current time Aug 23-Wed-2023 14:15:37 JST

5.6. USBメモリ関連コマンド

USBメモリは以下のコマンドで利用可能です。詳細はコマンドリファレンスマニュアルを参照してください。

項目

説明

copy <flash> <USBメモリ>
copy <USBメモリ> <flash>

装置フラッシュメモリのファイルとUSBメモリのファイル間のコピー

copy startup-config <USBメモリ>
copy <USBメモリ> startup-config
copy running-config <USBメモリ>
copy <USBメモリ> running-config
copy default-config <USBメモリ>
copy <USBメモリ> default-config

装置コンフィグとUSBメモリのファイル間のコピー

copy tech-support <USBメモリ>

show tech-supportの結果をUSBメモリのファイルに出力

copy syslog <USBメモリ>

show syslogの結果をUSBメモリのファイルに出力

software-update <USBメモリ>

USBメモリのファイルを使用して、ソフトウェア・アップデート

erase <USBメモリ>

USBメモリのファイルを削除

show usbmem [<USBメモリ>]

USBメモリ情報を表示

注釈

  • USBメモリのファイルからUSBメモリのファイルへのコピーはできません。(PC等で実施してください。)

  • USBメモリのファイル書き込み時に、すでに同一ファイルがあった場合は上書きされます。(装置フラッシュメモリへのファイル書き込み時に、同一ファイルがあった場合は書き込みできません。)

  • USBメモリのディレクトリは削除できません。(PC等で削除してください。)