ポリシーマップ

コマンド一覧

コマンド コマンドの機能
bandwidth 最小予約帯域割合の設定
class クラスの作成/設定
policy-map ポリシーマップの作成/設定
queue-limit キュー長の設定
set ip precedence IPv4 Precedence設定
set ipv6 precedence IPv6 Precedence設定
set qos-group QoSグループ番号設定
shape クラスのトラフィックシェーピングの設定
show policy-map interface
show policy-map summary
帯域制御/優先制御の状態表示
clear policy-map interface 帯域制御/優先制御の初期化
clear policy-map statistics ポリシーマップ統計情報の消去

最小予約帯域割合の設定

[入力形式]
bandwidth { [ mbps ] BW-RATIO-VALUE | percent BW-PERCENT-VALUE }
no bandwidth
[パラメータ]

mbps ... CIRに入力する単位をMbpsに変更する

BW-RATIO-VALUE...最小予約帯域割合

  • 範囲: 8〜10000000 (mbps未指定時 単位:kbps)
  • 範囲: 1〜10000 (mbps指定時 単位:Mbps)

BW-PERCENT-VALUE...最小予約帯域割合(%)

  • 範囲: 1〜98
[説明]
クラスの最小予約帯域割合を設定します。
[デフォルト値]
bandwidth percent 10
[実行モード]
ポリシーマップクラスコンフィグモード
[ユーザー権限]
Administrator
[入力例]
bandwidth 128
bandwidth mbps 10
bandwidth percent 20
no bandwidth
[ノート]
なし

クラスの作成/設定

[入力形式]
class { CLASS-NAME | class-default | class-local }
no class { CLASS-NAME | class-default | class-local }
[パラメータ]

CLASS-NAME...クラス名(クラスマップ名と同じ名前)

  • 31文字以内の文字列
  • match-all, match-any, class-default, class-dynamic, class-local を除く文字列

class-default...デフォルトクラス

class-local...ローカルクラス

[説明]
クラスマップを指定または新たに作成してポリシーマップクラスコンフィグモードに遷移します。

ポリシーマップクラスコンフィグモードでは、パケットをクラスに分類してQoSの処理を設定します。

クラスに分類されなかったパケットは、ルータ内部で生成されたパケットの場合はローカルクラスに、
それ以外の場合はデフォルトクラスに分類されます。
[デフォルト値]
なし
[実行モード]
ポリシーマップクラスコンフィグモード
ポリシーマップコンフィグモード
[ユーザー権限]
Administrator
[入力例]
class ch1_class
class class-default
no class ch1_class
[ノート]
class-default, class-localは noコマンドで削除できません。
class-default, class-localで noを実行する場合、設定の初期化のみ行います。
[IX2000/IX3000シリーズ差分]
  • class-dynamic オプション未サポート

ポリシーマップの作成/設定

[入力形式]
policy-map POLICYMAP-NAME
no policy-map POLICYMAP-NAME

[パラメータ]

POLICYMAP-NAME...ポリシーマップ名

  • 31文字以内の文字列
  • interfaceという名称は使用不可
[説明]
クラスを定義するためのポリシーマップを作成します。

ポリシーマップ内のクラスは、設定順に条件判定を行います。

どのクラスにも分類されなかったパケットについてはルータ内部で生成されたパケットの場合はローカルクラスに、それ以外の場合はデフォルトクラスに分類されます。
[デフォルト値]
なし
[実行モード]
グローバルコンフィグモード
[ユーザー権限]
Administrator
[入力例]
policy-map ch1_policy
no policy-map ch1_policy
[ノート]
適用済みのポリシーマップを変更する場合は、変更後service-policyコマンドで再度適用し直す必要があります。
clear policy-map interfaceコマンドで変更を適用することもできます。

キュー長の設定

[入力形式]
queue-limit [ HIGH [ MEDIUM [ NORMAL [ LOW [ SUB-A [ SUB-B [ SUB-C [ SUB-D ] ] ] ] ] ] ] ]
no queue-limit
[パラメータ]
HIGH ...優先度highのキュー長
MEDIUM...優先度mediumのキュー長
NORMAL...優先度normalのキュー長
LOW ...優先度lowのキュー長
SUB-A ...優先度sub-aのキュー長
SUB-B ...優先度sub-bのキュー長
SUB-C ...優先度sub-cのキュー長
SUB-D ...優先度sub-dのキュー長
  • 範囲: 1〜1000
[説明]
クラスにおける優先度別キューのキュー長を設定します。
輻輳時に設定された数までパケットを保持します。
[デフォルト値]
10 (全優先度)
設定しない場合のイーサネットのキュー長は自動調整になります。
[実行モード]
ポリシーマップクラスコンフィグモード
[ユーザー権限]
Administrator
[入力例]
queue-limit 10 10 100 10 5 5 5 5
no queue-limit
[ノート]
各キュー長の和が2000を越えることはできません。
[IX2000/IX3000シリーズ差分]
  • キュー長の範囲を1〜1000に変更
  • 各キュー長の和を2000までに変更

IPv4 Precedence設定

[入力形式]
set ip precedence IP-PRECEDENCE
no set ip precedence [ IP-PRECEDENCE ]
[パラメータ]

IP-PRECEDENCE...IPパケットのprecedence値

  • 範囲: 0〜7
[説明]
IPv4パケットヘッダのTOSフィールドにある優先度(3bits)を設定します。
[デフォルト値]
なし
[実行モード]
ポリシーマップクラスコンフィグモード
[ユーザー権限]
Administrator
[入力例]
set ip precedence 0
no set ip precedence
[ノート]
なし

IPv6 Precedence設定

[入力形式]
set ipv6 precedence IP-PRECEDENCE
no set ipv6 precedence [ IP-PRECEDENCE ]
[パラメータ]

IP-PRECEDENCE...IPv6パケットのprecedence値

  • 範囲: 0〜7
[説明]
IPv6パケットヘッダのTraffic Classフィールドにある優先度(3bits)を設定します。
[デフォルト値]
なし
[実行モード]
ポリシーマップクラスコンフィグモード
[ユーザー権限]
Administrator
[入力例]
set ipv6 precedence 0
no set ipv6 precedence
[ノート]
なし

QoSグループ番号設定

[入力形式]
set qos-group QOS-GROUP
no set qos-group [ QOS-GROUP ]
[パラメータ]

QOS-GROUP...QoSグループ番号

  • 範囲: 1〜65535
[説明]
パケットにQoSグループ番号を割り当てます。

match qos-group コマンドと合わせて使用します。

受信時にQoSグループ番号を設定しておき、それを送信時に利用することで、
受信インタフェースで分類したクラスの条件で送信インタフェースのQoSを制御できます。
[デフォルト値]
なし
[実行モード]
ポリシーマップクラスコンフィグモード
[ユーザー権限]
Administrator
[入力例]
set qos-group 3
no set qos-group
[ノート]
なし

クラスのトラフィックシェーピングの設定

[入力形式]
shape [ kbps | mbps ] CIR [ BC [ BE ] ]
no shape
[パラメータ]

kbps ... CIR に入力する単位を kbps に変更する。

mbps ... CIR に入力する単位を Mbps に変更する。

CIR ... committed information rate

  • 範囲: 8000~1000000000 (kbps,mbps未指定時 単位:bps)
  • 範囲: 8~10000000 (kbpsオプション指定時 単位:kbps)
  • 範囲: 1~10000 (mbpsオプション指定時 単位:Mbps)

BC ... committed burst rate (ビット)

  • 範囲: 8~1000000000

BE ... excess burst rate (ビット)

  • 範囲: 0~1000000000
[説明]
指定クラスに分類されるトラフィックに対してシェーピングを行います。
送信パケットに対してのみ有効です。
[デフォルト値]
BC ... CIR ÷ 1000ビット (1ミリ秒あたりのビット数)
BE ... 0 : BCを設定している場合
BCと同じ値: BCがデフォルト値の場合
[実行モード]
ポリシーマップクラスコンフィグモード
[ユーザー権限]
Administrator
[入力例]
shape 64000
shape kbps 100000 1000 0
no shape
[ノート]
なし
[IX2000/IX3000シリーズ差分]
  • ngnオプション未サポート

帯域制御/優先制御の状態表示

[入力形式]
show policy-map interface [ INTERFACE ]
show policy-map summary [ INTERFACE ]
[パラメータ]

INTERFACE...インタフェース名

  • グローバルコンフィグモードで省略した場合は全インタフェースで実行します。
  • インタフェースコンフィグモードで省略した場合は該当インタフェースのみで実行します。

summary ...サマリー表示

  • クラス単位の統計情報のみ表示します。
[説明]
帯域制御/優先制御の状態や統計情報を表示します。
[デフォルト値]
なし
[実行モード]
グローバルコンフィグモード
インタフェースコンフィグモード
[ユーザー権限]
Administrator/Operator/Monitor
[入力例]
show policy-map interface
show policy-map interface GigaEthernet0.0
[ノート]
デフォルトではプライオリティをhigh, medium, normal, lowの4段階で表示します。
クラス分類条件設定かキュー長設定で拡張プライオリティを設定している場合、
high, medium, normal, low, sub-a, sub-b, sub-c, sub-dの8段階で表示します。

帯域制御/優先制御の初期化

[入力形式]
clear policy-map interface [ INTERFACE ]
[パラメータ]

INTERFACE...インタフェース名

  • グローバルコンフィグモードで省略した場合は全インタフェースで実行します。
  • インタフェースコンフィグモードで省略した場合は該当インタフェースのみで実行します。
[説明]
帯域制御/優先制御の初期化を行います。
[デフォルト値]
なし
[実行モード]
グローバルコンフィグモード
インタフェースコンフィグモード
[ユーザー権限]
Administrator/Operator/Monitor
[入力例]
clear policy-map interface
[ノート]
なし

ポリシーマップ統計情報の消去

[入力形式]
clear policy-map statistics [ INTERFACE ]
[パラメータ]

INTERFACE...インタフェース名

  • グローバルコンフィグモードで省略した場合は全インタフェースで実行します。
  • インタフェースコンフィグモードで省略した場合は該当インタフェースのみで実行します。
[説明]
ポリシーマップによる帯域制御におけるパケットの統計情報を消去します。
[デフォルト値]
なし
[実行モード]
グローバルコンフィグモード
インタフェースコンフィグモード
[ユーザー権限]
Administrator/Operator/Monitor
[入力例]
clear policy-map statistics
[ノート]
なし